TOEIC IPオンラインテストを受験予定の人は、どんな形式なのかイメージが湧かず、対策に困ってませんか。
この記事では、TOEIC IPオンラインテストの概要、実際に私が受験した際に感じたこと、試験の対策をまとめます。
今後TOEIC IPオンラインテストを受験される方は、対策を立てる際の参考にしてください。
TOEIC IPオンラインテストの概要
「TOEIC IPオンラインテスト」とは、TOEIC L&Rの IPテスト(企業等の内部で受験するタイプ)をPC上でオンラインで受験できるものです。
次の点がペーパーテストと大きく異なります。
- 試験時間が短く、問題数が少ない。
- Listening, Readingともに、”Unit 1″, “Unit 2” の2段階に分かれている。Unit 1の正答率に基づき、Unit 2の出題内容が変わる。(受験者の実力に応じた出題となるため、問題数が少なくて済む)
- 試験の後、すぐにスコアが表示される。
詳細は、TOEICの公式サイト をご覧ください。
出題数と制限時間は次のとおりです(TOEIC公式サイトより):

受験の記録・印象
私は2021年の初頭に、勤務先でTOEIC IPオンラインテストを受験しました。そのときの状況をまとめます。(2021年初めの状況です。その後、試験の形式等が変わっているかもしれません)
事前準備
試験の前に、オンラインで事前の個人情報等の入力が必要です。また、PCの設定確認も必要です。
最初は戸惑う部分が多いです。事前にマニュアルをよく読みましょう。また必ず準備には時間に余裕をもたせましょう。
試験内容
問題は、Listeing、Readingの両方とも、
- Unit 1(25問)は全員共通の問題。
- Unit 2(20問)はUnit 1の正答率に応じて難度が変わる。
となっています。Unit 1は平均的な難度の問題が多い印象です。Unit 2は、Unit 1の出来具合により難度が変わります。Unit 1の正答率が高ければ、Unit 2の難度は高く設定されるはずです(私の場合、難度が上がったようでした)。
Listening
Listeningは、ヘッドホンが使えるため、音質保証される点は非常に良いです。
Part 3, 4は、問題文(選択肢)が音声開始と同時に表示されるため、「先読み」ができません(正確に言うと、問題が切り替わった時の冒頭のdirectionの数秒間だけ先読みができます)。TOEIC L&Rのペーパーテストのテクニックとして先読み訓練をしている人は、注意してください。
また各問題で、未回答のまま時間切れで次の問題の音声が始まると、その問題は回答できなくなります。問題ごとに明確な時間制約があるのは厳しいです。
Reading
<画面表示>
私が受験した環境(ノートPC)では、文字が小さすぎて、フォントも見づらかったです。
特に長文は非常に読みにくいものでした。PCの画面の見え方を事前に確認する手段がなく、本番で気づいて慌てました。文字が潰れかけて解読不能なところもありました。
また、紙と比べて、PC画面では、集中力を高めて英文を速読しにくいという感覚があります。
<画面の操作性>
Readingパートの開始時(たしかdirectionが表示されただけで)、いつの間にか時間のカウントが始まっていたことに気づかず、時間を大きくロスしてしまったように思います。
また、各問題で、画面の端の”→”(矢印)を押下しないと次の画面に進まないのが、初めは気づきにくいです。
全体的にインタフェースが全般に不親切で、分かりにくいです。
<時間配分>
特に Unit 2では、時間に余裕がなかったです。
私はいつもTOEIC L&RのReadingでは最後少し時間が余るのですが、今回のオンラインでは時間が足りませんでした。
ペーパーテストと比較すると、問題数が少なく時間も短いため、時間配分の柔軟性が低く、ちょっとした時間のロスが命取りになるため注意してください。
受験に向けた対策
通常のペーパーテストのTOEICと比較して、次の点に重点を置いて対策することをおすすめします。
- 問題数が少ない分、1問あたりの比重が大きいと言えるため、一つひとつの問題に集中して取り組む訓練をしましょう。
- Listeningでは、「先読み」ができないため、先読みしないで問題を解く訓練をしましょう。
- Readingでは、PC画面での長文読解に慣れるため、普段からPC画面上で多様な英文を読む訓練をしておきましょう。
- Readingでは、時間配分がペーパーテストと全く異なるため、事前に考えておきましょう。
テスト運営の問題点と改善要望
現状のTOEIC オンラインIPテストでは、受験者の実力を正確に測定できないおそれがあると考えます。
環境依存性や偶発的なトラブルが多発している可能性があります。TOEIC 運営機関に対して、次のとおり改善を要望したいです。
- Readingは、PCの画面表示を事前に確認・調整できるようにすべき。
- Readingは、初回受験者が画面表示・操作で迷わないような画面の表示・構成に改善すべき。
- 解決策として、操作の練習サイト・PC画面表示確認サイトを用意することが望まれる。
まとめ:TOEIC IPオンラインテストの対策
TOEIC L&Rのペーパーテストと比べると、IPオンラインテストでは、特に重要な対策として、「Listeningの先読みができない」「Readingは画面表示の慣れが必要」「事前に環境や操作方法を十分に理解しておくこと」が挙げられます。
受験される皆さんが、十分に対策をして実力を発揮されることを祈ります。