TOEIC L&Rでスコアを大幅に上げ、さらに英語力も身につけるには、どんな勉強方法がベストでしょうか。
結論から言うと、試験対策としては、公式問題集だけで十分です。
私は20回以上TOEIC L&R(L&Rになる前身も含めて)受験してきました。その過程で、様々な教材や勉強方法も試してきましたが、「公式問題集を必要最小限だけやれば良い」との結論に至りました。その理由を説明します。
TOEIC L&R対策に時間をかけすぎるべきではない
<TOEIC L&Rの特殊性>
そもそもTOEIC L&Rテストに特化した勉強に長い時間をかけてはいけません。だから、必要最小限の「公式問題集」だけやれば良いんです。
というのも、TOEIC L&Rの試験は、非常に特殊です。特殊性が強すぎて、現実の英語を使う状況と整合性がとれません。具体的には次のような特殊性があります:
<TOEIC L&R試験問題の特徴・問題点>
- リスニングとリーディングだけである。作文・発話の勉強にならない。
- 英文の題材が、アカデミックまたは専門性の高いビジネスの要素がなく、知性を問われない事務な薄い内容のみである。
- リスニングは、「誰がどこで話しているか」が分からない状況で出題されるが、これは非現実的である。
- リーディングの読解問題は、英語力ではなく、情報処理と視力検査(間違い探し)のテストになっている。
このような特殊な出題パターンに特化した勉強をしていると、本来身につけるべき「使える英語」から乖離していってしまいます。
<英語力の基盤強化の勉強をすべき>
TOEIC L&Rで高得点をとるには、「英語力の基盤強化」+「TOEIC L&Rに特化した能力の強化」の両面で攻めることになります。
このうち、前者の「英語力の基盤強化」は、当然ながら必ず必要です。ほぼこれでスコアの範囲が決まります。
一方で、後者の「TOEIC L&Rに特化した能力の強化」は、小手先のテクニックや「試験慣れ」です。これは、スコアは20点、30点押し上げるくらいの効果はあるかもしれませんが、そこまでです。限界があります。
TOEIC L&Rで、大幅なスコアアップを目指すなら、TOEIC L&Rに特化した勉強ばかりしていてはダメなのです。
以上のとおり、「TOEIC L&Rに特化した勉強に時間をかけすぎない」ことが大事です。そのため、誰もが行う必要最小限の対策である「公式問題集」に取り組めば十分なのです。
TOEIC公式問題集以外の教材の品質の信頼性
<出題傾向>
TOEIC L&Rのテストは独特の出題傾向があります。何度も受験している人は分かるでしょう。この傾向に合った対策をするには、「公式」の教材が最も信頼できます。
逆に、「公式」ではない教材の場合、どうしても教材作成者のクセや偏りが発生するリスクがあります。あえてそうしたリスクのある教材に取り組み必要はありません。モチベーションも上がらなくなります。
<リスニングの音声>
リスニングの音声も、「公式」はTOEIC L&R試験本番に近いものになります。一方で、「公式」ではない教材の場合、音声の品質が十分に本番に近いものか、保証されません。
TOEIC公式問題集の選び方・使い方
公式問題集は、最新のものから使いましょう。微妙に難度や英文の性質に変動が生じている可能性があるためです。私の場合、最新のものから3冊分くらいで十分と感じています。
<TOEIC 公式問題集>

使い方としては、まず問題を解く際、迷った問題には、マークを解答用紙に書くと良いです。
答え合わせの際、間違えた問題は、別冊解答の当該問題に「×」を書き、迷った問題は、「△」を書いておくと良いです。今後の復習や2回目のときに振り返りを有効に進められます。
1度問題を解いて、答え合わせをしたら、しばらく寝かせると良いと思います。忘れた頃に(例えば1ヶ月後に)もう一度解いてみると良いでしょう。それで、出題傾向を脳に定着させられます。
まとめ
TOEIC L&Rに特化した対策は、公式問題集だけやれば十分です。時間をかけすぎないようにしましょう。出題傾向が特殊すぎるため、時間をかける価値はありません。スコアアップは、英語力自体を向上させるほうが近道です。公式問題集は、最新ものから取り組みましょう。
